第22回 エントロピー学会シンポジウム

第22回 エントロピー学会シンポジウム
2004年11月19日(金)〜21日(日)

法政大学小金井キャンパス西館

〒184-8584
小金井市梶野町3-7-2
(JR東小金井駅北口より下車徒歩13分、またはCOCOバスで4分、法政大学前下車)

参加費
◎ 2日間通しで2,000円(学生1,000円)
◎20日または21日のみ1,000円(学生500円)
◎19日の玉川上水フィールドワークは無料(交通費など本人負担)

1月10日に第1回シンポ実行委員会を開いて以降、世話人会とキャッチボールをしながらシンポジウムの目標や中心テーマについて議論を進めてきました。エントロピー学会でのここ数年の「循環型社会」をめぐっての議論を踏まえて、その物理的・工学的側面として、環境評価の定量化をひとつのテーマとしたいという方向性が1つ。もう1つは、「グローバリズムとローカニズム」をテーマとした昨年の関学シンポの流れから、地域再生と物質循環というテーマが浮上してきました。

法政大学の清成忠男総長が「地域主義の運動と日本経済」という演題で特別講演を快諾され、期せずして地域再生のテーマが経済学の視点からも語られることになりました。「地域主義の運動」は、エントロピー学会の創始者の一人である玉野井芳郎先生が掲げられた言葉です。初日のプログラムは、清成総長の講演・丸山真人さんのコメント、続いてシンポジウム「地域再生と水循環」という流れができました。前日の玉川上水ツアーもこのテーマに肉付けを与えてくれるでしょう。

環境評価の定量化という前者の問題意識に関しては、東京セミナーの例会で継続して取り上げており、また、関西セミナーでも「環境指標のエントロピー論的評価」を課題として研究活動を進めつつあります。関西セミナー・東京セミナーの共同企画「環境指標をどうみるか」を2日目に開く予定です 。

第22回 エントロピー学会シンポジウム
プログラム
2004年11月19日(金)午後
■玉川上水フィールドワーク(※学会誌「えす」No129の掲載コースに変更があります)
案内人 荒井良雄先生(東大駒場教養学部で人文地理を担当)
玉川上水駅(西武拝島線・多摩都市モノレール)午後1時集合
○11:53東京駅発JR中央線(特別快速)、立川駅で多摩モノレール立川北駅に乗り換え、12:59玉川上水駅着
○コース 玉川上水駅から東大和市まで玉川上水沿いを歩きます。途中の見所は、小平監視所、清流復活の碑、たぬき掘り跡などです。東大和市駅から小川駅、国分寺駅を経て吉祥寺駅まで電車で移動し、駅から徒歩5分ほどの井の頭公園で玉川上水と井の頭池の高度差を測定する予定です。
参考)東大和市駅?吉祥寺駅までの乗り換え案内
14:36〜14:39 東大和市駅発  西武拝島線(小平行)
14:45〜14:53 小川駅発    西武国分寺線(国分寺行)
14:56〜15:09 国分寺駅発   JR中央線(快速)(東京行)
玉川上水は羽村から四谷まで東京を東西に走る生活用水路です。一体なぜこのような長い生活用水路が作られたのか?江戸の人々はなぜ水源を近くの井の頭に求めず羽村に求めたのか?その理由は高さにあるのです。水源を井の頭に求めた場合ではどうしても高さが足りず、四谷まで水をひくことができないのです。そのことをフィールドワーク当日では実際に確認してみましょう。
申込先 幹事 町田知聡 (法政大学井野研究室修士1年)
       E-mail:i04r1143@k.hosei.ac.jp
または、ハガキで法政大学井野研究室気付 実行委員会まで
〒184-8584 小金井市梶野町3-7-2 法政大学工学部機械工学科

■玉川上水下見に行ってきました
・玉川上水駅を出発して5,6分程歩くとすぐに玉川上水小平監視所に到着する。今ではここは玉川上水の源流と下水を分けているところである。そして監視所のすぐ近くには清流復活の碑があり、そこは玉川上水で唯一水辺まで降りることができる場所だ。水辺から眺める玉川上水の様子は一見の価値がある。
玉川上水は豊かな緑に囲まれた散歩道をゆったりと歩くのにぴったりの場所である。それを示すように近所の人達がランニングやウォーキングをしていた。歩くと1時間半ほどかかるが、緑を見ながらの散歩は気持ちの良い疲れを感じた。(町田知聡)

・コース最初の見所である小平監視所を過ぎると、左岸には明治3年につくられた新堀用水があり、小川橋付近までの約900メートルの間、用水はほとんどの区間で地中を流れている。これは、当時の人々が赤土をくりぬいて「たぬき掘」というトンネルをつくったからである。当時つくられた縦穴が2,3個残っており、人々がどのように「たぬき掘」をつくったのか、その歴史を感じることができる。
玉川上水駅から鷹の台駅付近までは雑木林が続き、また、ところどころに当時の面影が残っており、歩くにはもってこいのコースだと感じた。(谷口大助)

?2004年11月20日(土)
時刻
内容
会場
11:00〜
特別講演セッション
『地域主義の運動と日本経済』?清成忠男(法政大学総長)
コメント 丸山真人(東大総合文化)
司会 中村尚司
討論
マルチメディアホール(西館地下1階)

13:00〜
昼食
〜14:00〜
17:00
シンポジウム企画1『地域再生と水循環』
マルチメディアホール(西館地下1階)
講演.
陣内秀信(法政大工建築)
「エコ・シティとしての東京」
江戸、そしてそれを受け継ぐ東京は、自然条件を巧みに読みながら、生態系を重視してつくられた都市だった。起伏の変化、地質、植物の分布、水の流れ、湧水、空気の流れ等を考えながら、柔軟な方法でつくられたエコ・シティだったと言える。中小河川、用水、掘割といった水網が巡らされ、流域コミュニティも発達した。近代の開発で大きく損なわれたこの東京の特徴を再認識することが先ず必要である。それに基づき、都市再生に向けての方法を考えたい
講演.
山田國廣(精華大人文)
「森林の有する水循環機能のエントロピー論による評価」
森林の水循環機能は、主として治水と保水機能によって評価されている。しかし、気温を調整する機能などもも含めて総合的に評価すべきである。
日本学術会議が2001年11月に公表した「森林の機能(洪水抑制・保水機能)はどの程度あるのか?」という答申は、その後のダム推進論の根拠となっており、問題点が多く散見される。この答申に反論する形で、森林の水循環機能を、物質支、エネルギー、エントロピー収支という3つの側面を関連付けて評価する。
講演.
藤堂史明(新潟大経済)
「新潟にみる自然・経済の循環,公共空間のありかたと地域再生」
新潟市はかつては「柳都」と呼ばれ,信濃川,阿賀野川の大河を間近に,水循環を掘割等により都市空間に取り入れていた.一方で戦後の掘割の埋め立て,郊外型都市開発 を伴う自動車交通の増大,工場・生活廃水の増加は,水辺環境を汚染し,公害「新潟水俣病」,大気汚染,中心市街地や公共交通の衰退といった,今日的問題を引 き起こしてきた.これらの問題の要因を捉え,自然と人間の関わりあい,人間と人間の関わりあいについて地域再生と環境政策の視点から考える.
講演.
沖 大幹(東大生産研)
「都市の水循環と統合的水資源マネジメント」
地球環境問題が広く認識される様になって以降の自然科学分野では、人間活動の及ばない純粋な自然の現象ではなく、人間活動によって量的にも質的にも大きく影響を受けた現実の現象を対象とする様になっている。ここでは、生存基盤を外部に依存している都市という場に於いて、水循環が人間活動の影響を受けてどう自然状態から乖離しているのか、そして、健全な水循環を目指す統合的水資源マネジメントは何を目指しているのかに関して紹介する。

パネル討論(司会:丸山茂樹さん)
※なお、中村裕さん(小金井市在住)に、前日の玉川上水フィールドワークの報告を含めてコメントをお願いする予定です。

17:15〜
18:15
一般講演 A会場:
■矢吹哲夫
「太陽光下での光合成のエネルギー効率とエントロピー」
葉緑体を、光エネルギーからグルコースに蓄えられる化学エネルギーへの変換機関と捉え、その時のエネルギー効率について考える。
■桐山信一
「熱機関の学習を通したエントロピー論の基礎となる認識の形成」
西館2階W203教室

一般講演 B会場:
■恩和(エンヘ)
「内モンゴルの水循環と総合開発」
内モンゴルの経済発展に欠かせない水循環が危機に瀕している。その原因を明らかにし、解決策を提示する。
■劉輝(リュウクィ)
「中国内陸地域開発における水循環と公衆衛生」
人類の生存に不可欠な水は水循環とともに存在する。保健資源としての水が開発によって脅かされている現状を報告する
西館2階W204教室

18:30〜
20:30懇親会
法政大学小金井キャンパス内ファカルティクラブにて(会費3000円)

2004年11月21日(日)
会場
時刻
内容
場所
A会場シンポジウム2
10:00〜12:30
シンポジウム2『環境指標をどう見るか』第I部
関西セミナー企画
「環境指標の応用とエントロピー論による評価」
(1) 山田國廣 「種々の環境指標のエントロピー論による評価」
(2) 和田喜彦 「エコロジカル・フットプリントの原理と応用」
(3) 丸谷一耕 「エコロジカル・フットプリントの家庭系への応用」
(4) 後藤裕己 「統合的な非持続性の指標としてのGDP」
(5) 川島和義 「環境指標にならないリサイクル率/新たな指標の展望」
(6) 桑垣豊  「使い捨てがなければリサイクルも必要ない」
西館2FW203教室

13:30〜16:00
シンポジウム2『環境指標をどう見るか』第II部
東京セミナー企画
環境負荷を客観的・定量的に表す指標は、エントロピー学会の発足の時からの課題だった。最初は、エントロピー自体でそれを表そうとしたが、それはうまくいかなかった。その後学会の外でLCAなどの手法が広く用いられるようになったが、指標をどうみるかの議論が欠けている。このシンポジウムではこれまでのエントロピー学会での議論を振り返りながら、LCA、エクセルギー、廃棄物産業連関、物質収支、エコロジカル・リュックザック(またはTMR)、エコロジカル・フットプリントなどを俎上に、客観的な指標の要件について議論したい。
(1) 白鳥紀一 「環境負荷を客観的・定量的に表す指標の要件」
(2) 丸山真人 「定量分析に方向性を与える社会的枠組みの共進化」
(3) 中島謙一 「ユニバーサル・システムバウンダリLCAの開発」
(4) 添野良彦 「エクセルギーによる環境負荷物質の区分け」
(5) 黒田光太郎「マテリアルフローとTMRによる評価」
それぞれの発表を聞きながら討論(バトル!)し、相互理解を深めたいと思います。

16:15〜17:30
学会員の集い
エントロピー学会員が全員集まれる数少ない機会です。今後の学会活動などについて重要な説明もありますので、是非最後までご参加ください。

17:30〜18:30
世話人会

B会場 一般講演
11:00〜12:30
■藤木千草
「都市の中の湧き水を守るために」
1991年から始まった国分寺・地下水の会による湧き水の定期的調査の結果をふまえ、水循環に対する都市開発の破壊的性質を裁判事例を交えながら明らかにする。
■杉原せつ
「日本橋の川のほとりに生まれて」
■桜井醇児
「京都の八瀬・大原近辺の里山の荒廃について」
学生時代までをすごした京都郊外の里山の荒廃について、野草の激減に関する混乱した議論の整理をしつつ、現状報告する。
西館2FW204教室

13:30〜15:30
■馬場浩太
「エントロピーの流れの視点から「人間環境学」を考える」
生きている系と環境との物・熱の出入り・流れの持続可能性を考える上で、エントロピー軸からの視点はどこまで有効だろうか。広義のエントロピー概念の可能性を探る。
■西俣先子+古沢広祐
「環境を重視した地域づくりのための社会資本の整備に関する一考察?有機系廃棄物の循環の取り組みを事例として?」
■閻萍(イェンシュン)
「家電リサイクルの現状?日本の経験に学ぶ」
■松崎早苗
「生きている常在菌叢(バイオフレンズ)利用の環境的意味」
微生物が作り出す様々な物質はトータルな働きをすることで私たちの生活役立つことができる。工業化はそれを破壊してきた。ここで身の回りの常在菌を見直そう。
西館2FW203教室

●講演者およびシンポジウムパネリストは予稿を提出してください
〆 切:10月末日必着
様 式:A4で枚数は4ページを原則とします。
送り先:siratori@k.hosei.ac.jpへのメールにワードで添付してください。
    または、紙原稿で 〒184-8584 小金井市梶野町3-7-2 
    法政大学工学部機械工学科 白鳥紀一 宛 

●エントロピー学会第22回シンポジウム実行委員会への問い合わせは下記に願います。
井野博満(法政大学工学部機械工学科)
〒184-8584 小金井市梶野町3-7-2
TEL 0423-87-6135,6159  FAX 0423-87-6121
E-mail ino@k.hosei.ac.jp