3月28日と29日にかけて飯舘村周辺において実施した放射線サーベイ活動の暫定報告

日本大学生物資源科学部・生物環境工学科糸長研究室の方々と京大・今中先生らが、福島県飯舘村における放射能影響の最新サーベイをまとめましたので、お送りします。

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3月28日と29日にかけて飯舘村周辺において実施した放射線サーベイ活動の暫定報告
飯舘村周辺放射能汚染調査チーム
今中哲二(代表) 京都大学原子炉実験所
遠藤暁 広島大学大学院工学研究科
静間清 広島大学大学院工学研究科
菅井益朗 國學院大學
小澤祥司 日本大学生物資源科学部

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf
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 その結果はご覧のとおりですが、極めて厳しい実態が浮き彫りになっています。ただ急いで作ったとみえ、原資料は誤植が若干あるようです。

 当村は30km圏外にあり、避難指定はされていませんが、すでにIAEAや国が調査を行い、高濃度の汚染は認められるものの、「避難の必要はない」という結論になっています。また自主避難する場合も、基本的には国や県の支援は受けられません。一方、先日来「専門家」が来村し、「現在のデータは全く心配ない」と説明し、またNHKでもそのように放送しました。このため、村外の避難所にいる住民は続々と戻ってきている状況にあります。
 しかしながら、この「安全」の前提として原子力安全保安院は、記者会見で「この時期に1日中屋外にいる人などいない(だから大丈夫)」などと発言していますが、多くの農業者はすでに農作業を始めており、特に畜産農家は一貫して避難せず、「終日」牛の世話に従事しています。もうすぐ始まる児童・生徒の通学とともに、大きな問題が懸念されます。

 今回の調査は、国やIAEAのような限定された地区の少ないサンプル調査ではなく、広範囲にわたる精緻な調査となっています。すなわち、様々な判断に最も資する1次資料と考えられます。

 私たちは、有機農業研究の歴史がまさにそうであったように、およそ科学・研究に携わる者として、冷徹かつ正確にデータ分析(調査)を行い、その上で、社会的な普及・波及に向けた社会的発言を躊躇することなく実行すべきと考えます。 本学部・糸長先生らはそれを実践されておりますので、以下をあわせてご一読ください。

 各方面への要請文(避難指示見直し、村内の除線などの要請)
 http://www.ecology-archiscape.org/pdf/20110404supportteam.pdf

【参考】4/3以前のメモ
 http://www.ecology-archiscape.org/pdf/20110403eas.pdf
 http://www.ecology-archiscape.org/pdf/20110402supportteam.pdf
 飯舘村支援サイト
 http://www.ecology-archiscape.org/

 これらの資料は既に公表されたものですので、それぞれのお立場でご活用ください。
 取り急ぎです。

 日大食品ビジネス学科:地域経済論研究室/高橋 巌 YHR00557@nifty.com
  研究室HP http://www.geocities.jp/tiikikeizairon/index.html
  研究室ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/iwashizemi