フランクフルター・アールゲマイネ(FAZ.net)記事抄訳(16)

福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。(掲載伊津)

2011年5月30日
(政府の脱原発計画)
SPDは賛成を示唆、緑の党は躊躇
連立政権の脱原発計画は混じり合った共鳴を呼び起こしている。SPDは賛成の信号を発しており、緑の党は慎重に留まっている。FDPの派閥代表Bruederleは(反対派は)スープの中の髪の毛をさがすべきではないとクレームをつけている。

2011年5月30日
(リスク研究者Gerd gigerenzer)
それぞれの民族はその固有の怒りをもっている。
Q:もしメルケル首相が倫理委員会の立場であなた質問されたら、リスク研究者として何を勧めるのか。
A:原発を止めるか使い続けるかの決定を彼女に引き受けさせない。私は我々人類がリスクとの付き合いのなかでいかに専門家をつくるかを彼女に助言することはできる。
(中略)
原子力については?
A:なにか比較できるものを見出すことになる。目標は勿論、水、風、太陽におくことができる。

2011年5月30日
(エネルギー変革)
産業および発電所の経営者は十億ユーロ単位の負担に警告している
原子力エネルギーからの脱出の決定後に発電所経営者は慎重な態度をとっている。経済団体は新たな財政負担および危険な組織網の縮小を恐れている。RWEコンツェルンはあらたな訴訟を試みている。

2011年5月30日
(脱原発)
メルケル首相のアジェンダ2022
その後連立政権は月曜(5月30日)の夜、核エネルギーの利用からの脱出について了解を取りつけた。それは節約をせず、期待でき、歴史的な対比をもつものであり、未来は過去よりもよりよくなる可能性をもっている。
(G.Bannas,oyobiP.Carstens)
連立政権は2022年までに核エネルギーの使用からの脱出を完了させるという、黒-黄連立内閣*
の結論は以前の社会システムの改革について赤-緑連立*の「アジェンダ2010」の政党政策と比肩される。メルケル首相とその支持者たちは7月はじめの議会で核エネルギーからの脱出の議論を終結させる希望を持っている。緑の党の最近の成果を、メルケル首相は日本における原発災害によるものだけではないと説明した。
*注:schwarz(黒)はCDUとCSUの連合、gelb(黄)はFDPを表し、現在の政権はこの両者の連立である。また、rot(赤)はSPD(社会民主党)、gruen(緑)は緑の党を表し、現政権の前はこの両者の連立政権だった。

2011年5月30日
(エネルギー変革)
お金が流れれば、電気も流れる
発電所におけるエネルギー変革のために、政府は民間の投資家に助言をしている。その発電所は40年間運転され、それゆえ、信頼できる国家の奨励するもので最も信頼できる。
 これがどのようにうまくいくかは再生可能なエネルギーの振興についての法律(EEG)があげられる。20年以上の確定された供給料金がこの投資が収益性の良否を算出できる。電力生産の6分の1は賦課金によってまかなわれ、政府はこの割合は2020年までに2倍にするとしている。電力消費者によって支払われる追加費用は今年は135億ユーロ(約1兆5千億円)になると見積もられている。
 *現在のドイツの原子力の割合 原子力:22.5%(内継続分15.7%、モラトリアム6.8%)褐炭:23.4%、石炭:18.8%、再生可能エネルギー:16.5%、天然ガス:13.4%、その他:5.5%

2011年5月30日
(脱原発)
エネルギー変革は連邦に年間20億ユーロのコスト負担
Manfred Schaefers
連邦政府の脱原発の決定は高くつくだろう。連邦予算は年間20億ユーロの負担になる。これらは核燃料税やそのたの準備金で補填されるが、最終的に個人の家計は気候保護への投資のなかで課税による規制がモチベーションになる。家屋所有者はヒートポンプ、や地域暖房ネットへの接続、などが税制上有効である。家屋の断熱やリフォームも有効である。

2011年5月30日
(2022年までに脱原発)
メルケル首相:巨大なチャンス
SPDは脱原発計画に同意のサインをおくり、それに条件をつけた。また緑の党は控えめにとどまっている。メルケル首相は「ドイツは模範になりうる」
ドイツは再生可能エネルギーへの移行の先駆者として最初の大規模な産業国家になりうる」とメルケルは語った。このことは輸出、、開発、技術、仕事場にとってチャンスである。

2011年5月31日
(脱原発)
(エネルギー)変革のコスト
脱原発は特別なことではない。みんながやらなければならないからである。しかし、新しい送電線や発電所がなければ脱原発は単に停電につながることになる。エネルギー変革に対する市民の愛がいかに長く保たれるかは不確かである。

2011年5月31日
(Juergen Hambrechtとの対話)
脱原発はもっと長期になることもありうる。
倫理委員会は10年以内に脱原発を可能にするとしている。元のBASFのトップJ.Hambrechtは委員会の名kで唯一の経済団体、は必要な中間段階および危険について語った
Q:倫理委員会の一員として2021年までの脱原発についてあなたは赤^緑連合を追い越しますか。
A:長くかかります。脱原発は10年以内になんとかなります。しかし、厳密な計画管理と、中間プロセスと目標の設定、および管理、そしてこれらを達成できるかどうかだと語った。これらは国会の独立したエネルギー 委員会によって実現されるべきである。
Q:中間目標はどのように考えるか
A:供給の安定性、競争可能な価格、環境適合および公開性の取り入れ、である。中間目標は送電網の建設、石炭、およびガス火力発電所の新設といった中間目標が達成されなければ適時に集成し、供給不足にならないようにする。

2011年5月31日
(脱原発についての反応)
ウイーンは賞賛し、パリは怒っている
フランスはヨーロッパのエネルギー政策の中でのドイツの一人旅につてはあからさまに怒っている。スウェーデンは異常事態を恐れており、オーストリアはこの前進を評価している。連邦政府の脱原発の結論についての国際的な反応。
スイスは先週2034年までの脱原発を発表
ポーランドでは経済相が、ドイツの決定の後、計画中の参入を熟慮することを提案。現在、ポーランドは94%が石炭で、2020年にあはいじめて2箇所の原発が操業にはいることになっている。
中国はドイツの脱原発を疑いの目でみちる。中国経済はドイツと同様に輸出に依存しており、北京ではエネルギー供給が不足した際連邦政府はどのように充足するのか疑問をもっている。

2011年5月31日
(再生可能エネルギー)
太陽ブランドはソーラー投資を急がせている
脱原発は再生可能エネルギーの道を急がせている。アナリストはこの予想をつよく薦めている。脱原発の決定は特に新しいことはもたらさなかった。

2011年5月31日
(脱原発)
Roesler(連邦経済相):市民にとって控えめだが高いコスト
Eon(エネルギーコンツェルン)は核燃料税に反対して訴訟:原発の寿命短縮によって会社はその資格を失った。経済相Roeslerは、この税金は寿命短縮にともない、もはや実施されない。同時に彼は市民と経済により高い費用負担がかかると予告した。

2011年5月31日
(脱原発)
Eonは燃料税に反対して訴訟
脱原発によってEonは二桁の10億ユーロ(1兆円?)の損害を見込んでいる。コンツェルンは燃料税に反対して訴訟をするつもりだが、そうすると同時に納税義務が始めて生ずる。

2011年5月31日
(コメント)
可能性の侵害
脱原発のあと、政府は再生可能エネルギー法の改正を急いで強引に可決しようとしている。しかし、営業的な経済やエコ電力企業はこれを官僚主義的でコスト主導のモンスターだと批判している。

フランクフルター・アールゲマイネ より
Aktuelle Nachrichten online – FAZ.NET
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フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(独: Frankfurter Allgemeine Zeitung – F.A.Z.)は、第二次世界大戦後の1949年にフランクフルト・アム・マインに再建されたドイツの新聞。略号は FAZ である。福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。 体裁を整え伊津が掲載する。