フランクフルター・アールゲマイネ(FAZ.net)記事抄訳(17)

福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。(掲載伊津)

脱原発をめぐるドイツ国内の議論が活発なのでこれを中心に掲載しています。

2011年6月1日
(原子力のコンセンサス)
反対派と経済界からの強烈な批判
緑の党、SPDおよび経済界は連邦政府の脱原発シナリオについてのさらなる鋭い批判を行っている。ラインランド・プファル州のBeck首相は「我々は一緒にやることができるかどうか非常に疑いをもっている」と述べた。冷温予備保存、安全性の緩衝装置、検査法令についての議論に直面してSPDが主導している各州は懸念をもっている。

2011年6月3日
(脱原発計画)
段階別の明確なシナリオ
州政府の首相たちはメルケル首相のもとにおける脱原発計画について徹底的な変更を押し通した。
原子力発電所はいまや2022年までに書面上送電網からはずされることになっている。同意はガスおよび石炭火力発電所からの冷温予備保存についても述べている。
 残される9つの原子炉は2015,2017,2019,2021,2022に停止するとメルケル首相は州首相との話し合いの後のべた。現在停止中の7つおよびKrummelはそのまま停止される。
最終処分場の探求のための法律はこの年末までに連邦と州政府で合意する。
 だれもドイツで停電は望まない
 来るべき二度の冬場における電力事故に対して予備能力として現在の発電所を使用しなければならないことは合意をえている。しかし、7つのどれもが電力網につなげないですめばありがたい。
 連邦内閣は月曜(6月6日)に法案を議決することになっている。

2011年6月3日
(冷温予備保存が批判されている)
州は脱原発の詳細について賭けをしている
連邦政府にょれば原発は2021/2022年に集中して電力網からはずれる。これに対して冷温予備保存が見込まれている。州はその両方に反対している。州は冷温予備保存なしの文書による脱原発を望んでいる。

2011年6月3日
(原子力)
エネルギー変革に対して他に何をなすべきか
エネルギー変革法を通すために8つの法律および条令が議決および改正される予定になっている。その概観。
*原子力法の改正についての13の法律
*特別な資金、気候変動およびエネルギー基金の設立のための法律の変更のための法律
*エネルギー経済法(ENWG)
* 送電網建設促進法
*再生可能エネルギーからの電力生産の助成に対する正しい枠組みの新しい規制に対する法律(EEG)政府は再生可能エネルギーの割合を高めようとしている。電力生産では現在17%を2020年までに35%に高め、2030年までに50%以上にあげなければならない。
*自治体における気候に正しい都市開発の強化のための法律
*エネルギー節約条例
*発電所-余熱カップリング法

2011年6月3日
(脱原発)
緊張する勝利のよろこび
連立政権のエネルギー変革は反原発政党にとって歴史的な勝利である。しかし、それは緑の党にとって将来選挙民の投票において言い逃れることはそれほど簡単ではない。

2011年6月4日
(脱原発)
メルケル首相は予備の原発に固執している。
州が拒絶しているにもかかわらず、連立政権はいま2013年まで電力の不足の場合に備えて予備の原発に固執している。社会民主党は脱原発の賛同にたいして更なる基本法の改正を要求している。
連邦首相と各州との原発妥協のあと、SPDは脱原発計画のための新しい条件を出している。すべての電力コンツェルンによって、そしてメルケル首相自身、脱原発をもとにもどさないようにするべきである。

2011年6月5日
(脱原発)
2032年のドイツ
10年前、老首相Joschka Fischerは最後の原発を停止させた。しかし、脱原発はこの国を激しく揺さぶった。緑の未来における一つの視点。
Ralph Bollmannn およびWinand von Petersdorff

2011年6月5日
(核燃料税)
徴税者の大勝利
原発は停止されるだろう。しかし、核燃料税は残る。それは原子力発電所の運営者の為にのみ存在してきた。結局、国家は多くの金を使う。
*注燃料税は発電者がウランまたはプルトニウム1gを新しく入れるたびに145ユーロ国に支払う。年間2500億円)。原発の寿命延長の停止に伴って議論が活発化している。

2011年6月5日
(SPD(社会民主党)は条件をつけた)
脱原発が経済を危険にすることは許されない
エネルギー変革はこの月曜日(6月6日)に内閣で確定される。2022年までに最後の9つの原発が段階的に停止される。SPDは賛同に当たって条件をつけた。緑の党は脱原発をメルケル首相にとっての敗北と名づけた。
 SPDは賛同に当たって経済の保護を条件とした。「我々はドイツの工業生産とそれによる確実な雇用を危険にするようなどんな法律にも賛成できない」
 緑の党は迅速な脱原発に対する連立内閣の計画に賛成かどうかを未定のままにしていた。しかし、Tritten書記長は先週金曜(6月3日)のメルケル首相と州政府首相との会談の後の変化に賛意を表した。「メルケル首相は緑の党の圧力に屈し、いまや段階的な脱原発を受け入れた。「いまや、メルケル首相は10年来の脱原発反対の戦いにすざましい敗北で終止符をうった、ことは明らかである。

フランクフルター・アールゲマイネ より
Aktuelle Nachrichten online – FAZ.NET
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フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(独: Frankfurter Allgemeine Zeitung – F.A.Z.)は、第二次世界大戦後の1949年にフランクフルト・アム・マインに再建されたドイツの新聞。略号は FAZ である。福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。 体裁を整え伊津が掲載する。