フランクフルター・アールゲマイネ(FAZ.net)記事抄訳(19)
福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。(掲載伊津)
(その19)は過去の紙面から重要と思われる論説などをピックアップしています。
2011年5月6日
(物理学者Michio Kakuの談話)
安定性についてはまだ何も話せない
Michio Kakuはアメリカではもっとも著名な物理学者である。2008年に出版された著書、「ありえないことの物理学」はベストセラーリストにはいっている。福島の今後についての談話
Q:あなたは福島を時限爆弾といっている。いまでも危険ですか?
A:時間との戦い。現場に従業員がいなければ、溶融した燃料にもこれ以上冷却水はいかない。そうなれば3基の原子炉は同時に溶融することもありうる。
Q:これからどうなるか。
A:もっとも楽観的な見方によれば6~9ヶ月で最低状態に到達し、安定化することが期待されている。しかし、安定化については現在まだなにもいうことはできない。原子炉はサムライのような消防隊員によって冷却されている。
Q:生命の危険性は存在するか
全く安全である。放射線被曝はいくつかの箇所では致命的である。それに対して多くの放射能の申告はあまり機能していなくて、敷地の全体で放射能がどれほど高いかについて我々は全くしらない。しかし、一つだけ確実である。特定の場所に1時間とどまっているものは交代しなければならない。そうでないと作業員は一年間に被曝する放射能をうけることになる。数時間後にそのような汚染によって死亡する。
Q:チェルノブイリと比較して福島は越えているか。
A:ヨードの放出による汚染についてはこれまではチェルノブイリの10分の1である、そこでは炉心の25%が大気中に放出された。しかし、福島では早くとも6~9ヶ月以内に自動的なポンプが機能すると放射能の流出を阻止する修復ができる。しかしいまは不可能である。
Q:ほっとするのはまだ早い?
A:二つの時間枠がある。一つは東芝によるもので、もう一つは日立によるものである。東芝は原子炉は10年以内に完全に取り壊し、放射能の蓄積を遠ざけ、残りは封印する。結果はある種のコンクリート棺になる。日立は他の計画をもっており、それは30年以上にのびる。なぜ30年?スリーマイルの取り壊しは14年かかった。そのときは原子炉は一つだけだったし、原子炉の炉心は例外として最小の損害であり、その格納容器は無傷で残っていた。
Q:原発からどのくらいはなれれば、人類は今後ふたたび安心して生活できるのか
A:チェルノブイリでは立ち入り禁止地区の半径は30km。福島では放射能はより少ないにもかかわらず立ち入り禁止地区はいまも16~19kmに設定されている。そこで生活できるような期間はまで決まっていない。
Q:我々には何時正確な時期がわかるか
A:難しい。今後、全く放射能がでなければ室内作業は可能である。その反対にヨードとまだ多くのセシウムから逃れられない。避難地区は今後拡げなければならないかもしれない。
Q:災害は予想されたか
A:エンジニアは百年後の災害をおろそかにしている。原発を設置したものはそれを考慮にいれなければならない。
Q:あなた自身は原子力をどう考えるか
A:私自身は科学者で決定者(政治家)ではない。助言できるだけである。私の考えは「原子力を望むものは数百年に一度の災害のための準備をしなければならない。それは支払うべき費用である。
Q:他のエネルギー源をさがして原子力をあきらめることは最終的にはよりよくはないか。
A:私の尊敬するEdward Teller (水爆の父)は原子力に疑問の余地をもたなかった。しかし、かれによる有名な引用句のなかで原子力は非常に」危険であり、地表に属するものではなく地下におけば安全だと。
2011年5月11日
(ニーダーザクセン州)
Sander環境相は陸上の「期限付きの最終処分場」を提案
ニーダーザクセン州の環境相Sanderは、高濃度放射性廃棄物をある種の貯蔵庫におけるまず陸上での中間処分を提案した。ニーダーザクセン州のGorlebenの岩塩鉱への貯蔵はふさわしくなく外部へだされるべきである。
ニーダーザクセン州の環境相Sander(FDP)はGorlebenの塩の鉱山での原子力廃棄物の貯蔵に対する代替案として期限を切った「地上での最終処分場」を提案した。かれはGorlebenはさらに検討すべきである。バーデンヴュルテンゲルグ州がいま原子力廃棄物を粘土層に貯蔵することを試験しているのは賞賛すべきであると。
第三の可能性として連邦政府は100ないし150年の地上でお貯蔵を検討している。勿論自然破壊や爆撃、航空機の墜落などに対しては保護されるべきである。このような選択は放射性廃棄物を科学の進歩ののち熱エネルギーの運搬者して再び利用する機会を提案している。
貯蔵は未来の世代にとって不愉快な問題
Salzgitter,Wolfam Koenigにたいする連邦政府のリーダはみかけの解決に警告をした。我々は将来の世代に不愉快な問題をまわした。高度に危険な物質を間違った手に渡すことはさけなければならない。地上保管は持続的な解決にはならない。
2011年5月11日
(エネルギー政策)
倫理委員会:2021年までに脱原発は可能
脱原発に対する倫理員会は間もなくその報告を提出する。FAZの一人に話した構想は2021年までの脱原発は可能であるとしている。送電網から取り外されている8つの原子炉は停止したままにされる。
代替エネルギーは「どれもリスクはより小さい」
最良の場合、脱原発回廊は短縮されるので最後の原発はあきらかにそれ以前に停止可能であろう。脱原発のプロセスは規則にのっとって、透明性をもって検証されなければならない。検証基準としてこの報告が挙げているのは:価格の動向、電力の用意、システムの安定性、二酸化炭素の排出、および輸入である。必要な場合にはあとから徴税される。
核廃棄物はもとへ戻されなければならない
高濃度放射性廃棄物の最終処分場の探求において最大の倫理的な規律を課した。最終処分についての社会的な合意がなされうるかどうかは原子力発電所の決まった廃止時期の提案にかかっている。
エネルギー効率の高い家庭機器の計画など。
委員会の提案
個人住宅におけるエネルギー効率の良い機器への更新計画と同時に「インテリジェント」な電力計の導入。住宅リフォームでこれまでの研究の進歩―まず第一に住宅断熱―をもっと導入すべきである。再生可能エネルギーについては、まもなく経済的に運転できるようになるだろう。新しい天然ガス火力発電所の建設。新しい石炭火力発電所の計画、または建設がすすめられており環境負荷の高い設備に置き換えられる。
2011年5月17日
(原子炉安全性委員会)
原子力発電所では安全性が欠けている
原子炉安全委員会はドイツの原子力発電所の検査において不十分であるとした。大型航空機の衝突にたいしては全く安全でない。Roetgen環境相は4つの原発に対する停止を示唆した。
地震:地震に対する立地の検査。どのような強さの揺れに絶えられるか。検査は、河川の水位の上昇または低下の視点からの将来の危険性、火災、冷却手段の喪失、氾濫、インフラストラクチャーの喪失、個人の裁量可能性の侵害
洪水:これまで計算されてなかった洪水による損害の可能性、貯留ダムの決壊、極端な嵐による流量、津波または排水設備の機能停止、その際、インフラストラクチャーの損害、従業員の欠員なども顧慮しなければならない。原発の立地における過去の水位の検証の際、緊急対策の影響など。
航空機の衝突、テロ攻撃
民間航空、軍用機の衝突の際の機能の維持の検証。種々の衝突シナリオを勘定に入れるべきである。航空機の型、速度、積荷、衝突箇所。衝突時の建物の保存、コンクリートの被覆、が十分厚いかケロシン火災の影響、-空間的に十分な間隔が、原子炉の建設位置、衝突後の放射能の漏れる場所の追跡
サイバー攻撃:標的とされたシステムの部位の破壊。
冷却、緊急電力の喪失:バッテリー容量の敷地の全体で放射能がどれほど高いかについてから2時間以上の停電の結果の点検、ディーゼルエンジンの電力の観点(電力、油、冷却水)における72時間以上の長期の緊急電力の点検。緊急電力によるディーゼル装置の修理または置き換え(ガスタービン、水力発電)。その他の例えば泉のような冷却可能性にお観点から副次的な水の供給の場合の効果
2011年5月17日
(CDUの経済演説)
国民は脱原発について決定をしなければならない。
連邦政府および自身の党のリーダーの反原発についての憤慨からCDUのFAZ情報部への説明はドイツにおける将来のエネルギー供給についての国民の決定に努力する。相前後して投票される各州における国民投票が必要である。
フランクフルター・アールゲマイネ より
Aktuelle Nachrichten online – FAZ.NET
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フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(独: Frankfurter Allgemeine Zeitung – F.A.Z.)は、第二次世界大戦後の1949年にフランクフルト・アム・マインに再建されたドイツの新聞。略号は FAZ である。福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。 体裁を整え伊津が掲載する。