飯舘村調査報告 菅井益郎

エントロピー学会の皆さんへ

先月の28日から30日にかけて京大の今中氏の放射能測定の手伝いで福島県飯舘村の方へ行ってきました。私の被曝量は1日目36.10マイクロシーベルト、2日目38.57マイクロシーベルト,3日目(帰り)2.91マイクロシーベルト、合計で77.87μSVでした。福島市内の汚染は尋常でなし。

調査報告は今中氏が作成し、すでに下記のURLで発表されていますのでご覧になってください。また飯舘に15年前から村作りの支援に入っている日本大学のグループ(いっしょに調査にも出かけた)の報告も添付しておきます。

飯舘村は南側のごく一部だけが30km圏内ですが、村内全体が相当の汚染になっており、本来なら移住が必要なところがかなりあります。しかし政府の指定区域にないため現状では補償の対象にはなルかどうかわかりません。村民はどのように対応すべきか毎日悩んでいます。ほんとうに東京電力の無責任、政府の無責任に憤り以上のものを覚えます。IAEAは最初IAEAの基準の2倍の放射能汚染といいながら、1夜たつと、平均では日本の基準内に収まっていると、矛を収めてしまいました。平均で公害を語ることができないというのは、これまでの公害の歴史的教訓なのに、何といういい加減さで
しょう。それもそのはず、現在のIAEAの事務局長は日本人なのです。(天野之弥(ゆきや)・前外務省不拡散・原子力担当大使)

昨日の水俣病シンポジウムで東京電力福島原発事故の概要と問題点を報告しましたが、自分で話しながら、つくづくこれからは、足尾ー水俣―福島なのだなと気づきました。
飯舘村のすぐ南の葛尾村の強汚染地域(昨夜のETV特集「原発災害の地にて~対談 玄侑宗久 吉岡忍~」)の人々を見ると、さまよい続ける原発事故避難民は、足尾鉱毒被害民の谷中村の人々であり、差別の中で生活する水俣病患者であるように思われます。

ついでに100万kW原発の残留熱のグラフも添付しておきます。
ファイルのダウンロード
100万kW原発の残留熱のグラフ
ここでダウンロードできます。表示閲覧にはMicrosoft Excelが必要です。

菅井 益郎