フランクフルター・アールゲマイネ(FAZ.net)記事抄訳(18)

福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。(掲載伊津)

2011年6月6日
(フランス)
もし脱原発の意欲が増大したら
ドイツの脱原発にフランス政府は圧力を感じている。フランス人の多数はこの間、原子力エネルギーへの依存度を下げることを支持している。しかし、サルコジ大統領は原子力産業の支持をすでにはっきり決定している。
(Michaela Wiegel,Pari)
フランスはドイツの脱原発に神経質になっている。フランス人の核エネルギーへの無条件支持がぼろぼろになっている一方、フランス政府はドイツ連邦のエネルギー政策に一人歩きに挑発を感じている。

2011年6月6日
(2022年までにエネルギー変革)
内閣は脱原発に結論をだした
連邦政府はエネルギー変革を導入した。内閣は月曜(6月6日)に8つの原子力発電所からの脱出とすべての原発の2022年までの段階的停止に賛成した。

2011年6月6日
(脱原発)
傍若無人
新しい原子力コンセンサスは、プラグマティズムではなくイデオロギーを裏切っているという言説が伴っている。このやり方がさらにすすむと電力網の建設や再生可能エネルギーの助成は次世代の機会に対してではなくリスクに対してのものになる。
*グリーンロビーは原子力ロビーよりも感じがいい
 ニーダーザクセンのような州では経済および雇用市場は緑の電力やそのロビイストを顧慮しないので、それ以上なにもしない。お金を稼ぐ環境保護なのになぜやらないのか。この違いは何か

2011年6月6日
(再生可能エネルギー)
陸上の原発にかわる湖上のウインドパーク
ドイツは原発の電力をあきらめざるをえない。内閣は月曜(6月6日)に数多くの法案を決定し、電力網の建設における多くの所轄事項を推し進める。
エネルギー変革の中心は脱原発、再生可能エネルギーの構築であり、2020年までに35%と倍増しなければならない。内閣は費用効率的な建設による、支払い可能な電力価格に押さえることを約束している。グリーン電力の政府補助は長期的に下げられる。
 新しい補助銀行の補助プログラムにより50億ユーロ(約、6千億円)で10箇所の海上ウインドパークを支援する。この技術により、短期間に大きなコスト削減のポテンシャルがあがるとしている。湖上の風力に対しては補助は2から15セントに上げられ、12年間保証される。陸上の風力電力は将来はより少なくすべきである。勿論政府は反対している州や高価な海上風力エネルギーに警告している反対派には譲歩している。新エネルギー法による最初の補助は年間2%から1.5%に下がった。これまでは当初補助金はキロワット時あたり9セントが8.85%(約11円)に下がった。古い設備を新しくして性能があがればボーナスがでる。
 将来の供給安定性のためには送電網の建設に意味がある。まず、風力による電力の送電のために2020年までに4450kmの新しい送電アウトバーンを作らねばならない。政府は迅速な法制化により10年計画を4年に短縮しなければならない。
 エネルギー多消費企業に負担させてはならない。かつて連邦の交通計画がそうであったように負担は国全体で均等に負うべきである。計画中のエネルギー基金、気候変動基金から支出される。その代わり、企業は2013年からのエネルギー節約を示さねばならない。
 住宅の改造が進められなければならない。
 住宅のエネルギー的な改造において連邦政府は新しい税制面の奨励をする予定である。2012年から2014年までに15億ユーロ(1800億円)の補助がだされる。今年は住宅断熱、新しい暖房設備、窓に9億3600万ユーロの補助がでる。

2011年6月6日
(脱原発)
エネルギー経済における計画経済
再生可能な資源からの電気の生産は石炭やガスからの電気にくらべ年間の補助にもかかわらず非常に高い。エネルギー変革は電力市場の自由化からの決別である。

2011年6月6日
(エネルギー変革)
ヨーロッパの人々は原子力におけるドイツの一人歩きに不機嫌になっている
他のヨーロッパ諸国ではドイツの一人歩きについての不機嫌が支配的である。フランスのエネルギー相はEUの緊急会議を要求している。

2011年6月7日
(脱原発に反対)
電力コンツェルンは敵対的な引継ぎを恐れている
RWEとEonの多くの株主がますますそっぽをむくので証券市場は暴落している。それによって敵対的な引継ぎへの恐れが戻っている。RWEとEonは連邦政府による将来有りうべき損失に対するフェアな保証を要求している。

2011年6月7日
(脱原発のあと)
サルコジ大統領はドイツに電力を売るつもりである
フランスはドイツの脱原発から収益をひきだそうとしている。「我々は彼等に我々の電力を売ることを喜んで提案する、と ザルコジ は火曜(6月7日)に語った。彼はドイツの決定を批判するつもりはない。

2011年6月7日
(シュレスヴィッヒホルスタイン州におけるエネルギー変革)
変化の風
シュレスヴィッヒホルスタイン州ではエネルギー変革はすでに23年前から導入されている。いま風力発電装置の更なる建設の準備がされている。しかし、そのためにはます第一に緊急に必要なインフラストラクチャーをつくらなければならない。

フランクフルター・アールゲマイネ より
Aktuelle Nachrichten online – FAZ.NET
http://www.faz.net/s/homepage.html

フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(独: Frankfurter Allgemeine Zeitung – F.A.Z.)は、第二次世界大戦後の1949年にフランクフルト・アム・マインに再建されたドイツの新聞。略号は FAZ である。福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。 体裁を整え伊津が掲載する。