10月例会(COP10連続例会第5回):名古屋から世界へ 生物多様性を探る!
【日 時】2009年10月17日(土)15:00~17:30
【場 所】名古屋工業大学22号館2F(地下鉄、JR鶴舞下車)
【テーマ】都市の緑地を守る意味
【講 師】宗宮 弘明さん(名大農学部教授)
【会 費】(カンパ)500円程度、学生、院生免除
【要 旨】凄まじい勢いで、都市の緑が消失している。広報なごや(H20、5月号)によれば、「名古屋市は平成2年から17年の間で緑地を420ha確保したが、市域全体では中村区の大きさに相当する1,643haもの緑地を失った」。問題は、私有の緑地が相続税対策のために無くなっていることにある。これらの私有緑地は知らない間にどんどん消え行く運命にある。なぜなら、それを止める手段もルールも何もないからである。市民は無くなってから気がつくのである。名古屋市と愛知県は国際的な生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を2010年に開催する。これを機会に、都市の緑地の保全の方法の検討と新たなルール作りが必要と考えている。なぜなら、魅力的な町づくりに緑は欠かせないし、そのありようにその都市の「知恵」が問われるからである。もっと根本的な理由として、生命の歴史上、生態系は生命の維持装置でありライフラインでもあるからである。都市の中の生態系は、そこにあるだけで、われわれに多くの「自然の恵み(生態系サービス)」を教えてくれる。酸素や食糧の供給であり、気候の調整であり、気分の転換などもそのサービスに含まれる。つまり、われわれ人類は生態系があって生きていけるのであり、その生活は完全に生態系に依存しているのである。