メインメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

本年度第一回世話人会開催のお知らせ

日時 2017年7月22日(土)午後3時半より
会場 同志社大学今出川校地「良心館 410番教室」
(交通) 京都駅より地下鉄烏丸線10分の「今出川駅」下車1番出口すぐ
交通アクセス(同志社大学web)
googleマップ

世話人会は会員であれば誰でも出席し、意見を述べることができますので、会員の方は奮ってご参加ください。また、本年度の世話人も合わせて募集いたしております。世話人は選挙ではなく、会員であれば誰でも自己申告によりなることができます。

世話人になりたいとお思いの方は、世話人会にご参加いただくか、または直接事務局へご連絡ください。

会員によるセミナー開催のお知らせ

日時 2017年7月22日(土)午後12時半より
会場 上記世話人会と同じ部屋です。
内容 プログラム(PDF形式, 117KB)
参加費 無料(会員でなくても誰でも参加できます)
連絡先 福本(fukumoto●chem.sci.osaka-u.ac.jp)●を@に変更
原発事故コーナー
原発事故コーナー : 篠原孝メールマガジン233号「放射能汚染による初めての農産物の出荷制限・作付制限」
投稿者 : solo 投稿日時: 2011-05-04 05:24:19 (2138 ヒット)
篠原 孝 メールマガジン
233号 「放射能汚染による初めての農産物の出荷制限・作付制限」

2011.5.2
==============

原発事故のあとすぐに頭をよぎったのが、放射能に汚染された農産物のことである。
私は事故の翌日の3月12日土曜日に、直ちに担当者に対応を命じた。ところが、13日
日曜日夕方の何回目かの対策本部会合で、厚生労働省と連絡が取れずにまだ何も進ん
でいないということが知らされた。

<第一に体内被曝を抑え、第二に風評被害防止>
 こうした措置は一義的には厚生労働省の所掌だが、こんな緊急事態にはそんなこと
は言っていられない。国民の体内被曝を抑えることが第一、それから生産者のことを
考えて風評被害を防ぐ必要がある。そのためには汚染されて危険な農産物は絶対市場
に出回らせず、その代わり市場に出て店頭に並んでいるものは安全と消費者に分かっ
てもらうしかない。厚生労働省を動かし、速やかに対応していかなければならない。

<設けられていなかった規制値(基準値)>
 いろいろな食品安全基準があるが、放射能汚染ということが予想されたにも関わら
ず、厚生労働省も食品安全委員会もこの基準は作っていなかった。ここにも「原発安
全神話」がはびこっていたのだ。
事務方同士では話が進まないので、政務二役が連絡をとり合い事を進めた。筒井農林
水産副大臣も岡本厚生労働政務官も食の安全議員連盟の仲間であり、小宮山・大塚両
厚生労働副大臣も電話で通ずる仲である。緊急時の対応は、まさに政治主導が働いた。


<勘所のいい大臣の号令>
 3月15日、16日と続けて、官邸の原子力対策本部会合では鹿野大臣から基準値の
早期認定を強く主張していただき、枝野官房長官(原子力災害対策特別措置法担
当)、蓮舫消費者担当大臣、細川厚生労働大臣の四関係閣僚会合で大筋を決められ、
本格的対応が始まった。

<日本の消費者は世界一放射能に敏感>
 食品の安全性について各国民はかなり違った行動をとる。例えばアメリカ国民は、
BSEや遺伝子組み換え(GMO)にはあまり関心がなく、O-157には非常に関心が高
い。イギリス国民は、BSEで科学的医学に不信を持ち、GMOには拒否反応を示
す。日本人の場合は、世界で最も食の安全に敏感な国民であり、特に放射能には拒否
反応が強い。放っておいても風評被害は確実に予想される。
 規制値を設けていなければ北関東なり東北の野菜はすべて拒否されて、市場や店頭
はてんやわんやになる可能性がある。逆に、放射能汚染度合い等の情報をすべて公開
し、規制値を上回るものは市場に出さず、市場に出ているものは安全だということを
徹底すれば、日本の優れた消費者はいつか分かってくれるという自信があった。

<前広に汚染野菜・原乳の出荷制限>
 もたもたしていると大騒ぎになるので、早ければ早いほどよかった。ようやく両省
の話がつき、JCO事故後の2000年に原子力安全委員会がこういう場合の「めやす」
として作っていた「飲食物摂取制限に関する指標」の数値を暫定規制値として使うこ
とになった。チェルノブイリ原発の後の輸入基準としては370ベクレル/kgという
数値があったが、それとは別に定められた国際基準に沿って認められたものである。
ただ今回は、何事も原子力災害対策特別措置法(原対法)に基づく内閣総理大臣指示
で行わないとならなかった。そこで3月19日(土)に私が官邸に出向き、最終調整を
行った。

<初の出荷制限>
 こうしてやっとのこと、市場が動き出す3月21日(休日の月曜日)には暫定規制値
を公表し、規制値より高く汚染されたものは出荷を制限するということにした。福
島・茨城・群馬・栃木のホウレンソウ、カキナの葉物野菜は降下した放射性物質が葉
に付着しやすく規制値を超えていた。福島と茨城の原乳も出荷制限となった。農産物
の産地表示は一般に都道府県名であり、都道府県単位とした。これだと被害もそれほ
どないのに何で出荷制限するのかという問題が生じるのはわかっていたが、地域ごと
の検査体制も整えられず、きめ細かな仕組みは無理だった。ともかく急ぐ必要があ
り、どのみち当初は相当の買い控えが予想されたことから、県単位とし、解除はきめ
細かくすることを考えていた。

<東電による損害賠償>
 その一方で自らの責任がないのに出荷できなくなった農家に迷惑をかける訳にはい
かず、その損失は全面的に補償するということを同時に進めていた。こうした被害に
対しては、原子力損害賠償法(原賠法)により、一に東京電力、二に政府が補償する
ことになっている。酪農家は餌だけ与え原乳は出荷できず捨てなければならず、経費
がかかって収入がないため当座でも困る。そのため仮払いの必要があり、農業関係金
融機関のつなぎ融資の仕組を設けた。

<次々に決められていく新しいルール>
 こうして市場や店頭での大混乱は避けられた。先手必勝であり、3月21日の夕方に
は、流通団体等の関係団体に対して、政府が出荷制限したもの以外は市場が受け取り
拒否等してはならないという通達を出した。尚且つ22日には流通業界、小売業界の皆
さんに集まっていただきその旨を要請した。
予想されたとおり、風評被害は相当なものとなったが、JCO事故の時のように東京
の市場が茨城県産の野菜の入荷を拒否するといったことは起こらなかった。

<海の魚にも広がる汚染>
 その後検査が進むにつれ、他のものも汚染されていることがわかり、福島の場合は
キャベツ、ブロッコリー等も制限されることになった。7日(木)には魚のイカナゴに
も広がった。魚には半減期8日のヨウ素の規制値は定められていなかったが、野菜と
同じ規制値とした。4月28日には、セシウムも規制値を超えた。海は広く速やかに希
釈され、魚はそれほど汚染されないと思われていた。
 ところが、東電は4月21日に少なくとも4700テラベクレルと年間限度の2万倍に相当
する汚染水が流出したとあと出しで明らかにした。海は世界につながっており、猛批
判を受けることは間違いない、日本は、汚染水の海への流出も厳しく押さえていくの
が国際的責務である。

<徐々に整備されていく解除ルール>
 その後、出荷制限解除についても概ね3週間連続で規制値を下回った場合に解除さ
れることになった。また、都道府県単位ではなく市町村等の地域ごとに制限や制限解
除ができるようにした。このあたりになると、ほとんど役人ベースで話が進み、我々
政務三役は前面に出なくともよくなる。私は、本件も政治主導と事務方の連携の見本
ではないかと思う。
 第一回目の解除が、4月8日に福島県会津地方の7市町村で生産された原乳と群馬
県産のホウレンソウ、カキナについて行なわれ、今は福島の葉野菜と原木しいたけと
茨城の北部のホウレンソウの出荷制限を残すだけとなっている。
 徐々に一連のルールが定着し、市場に出ているものは安全と消費者に認められるよ
うになった。オイシックスのアンケートによると、77%の人が規制値以下であれば購
入すると答えている。これも予想通りである。後手後手に回る原発の対策の中では、
この出荷制限についてはそこそこうまく行ったのではないかと思う。

<難しい作付制限ルール>
 降下する放射性物質の付着による農作物の汚染は一時的である。それに対し、半減
期の長いセシウム(30年)やストロンチウム(29年)による土壌の汚染は長期間に及
び、そう簡単には解除できない。
稲については長年の研究成果により、土壌中の放射性セシウムの10%を吸収してしま
うこと(移行係数ないし指標0.1)がわかっている。従って、穀類のセシウムの規制
値が500ベクレル/kgなので、10倍の5000ベクレル/kgに汚染された土壌で栽培した米
は、もとから出荷できないことになる。

<避難区域にある作付制限区域>
 そこで4月8日に、稲については5000ベクレル/kg以上に汚染された土壌での作付を
制限することに決めた。翌週に各地の土壌調査結果が明らかになった時点で地域を指
定することにした。ところが、官邸がその元となる避難区域等の決定に手間取り、延
び延びになった。22日にやっと原発事故に伴う「警戒区域」、「計画的避難区域」、
「緊急時避難準備区域」が決められたところ、5000ベクレル/kgを上回る地域はすべ
てこれらの区域内にあったことから、そのまま稲の作付制限対象地域とし、約7000
戸、1万ha(5万t分)が作付けでない。
 他の作物については稲と同じ知見がないこともあり、今回、作付制限は設けられて
いないが、収穫後の検査で規制値を超えた場合は出荷制限される。(ブログでは報告
順が逆になったが、こうした知見を有するウクライナに研究者等を送り情報収集させ
ることにした。)

<必要な食品安全庁>
 折衝の過程でわかったことだが、官邸も厚労省も規制値を設けて出荷制限すること
に、農林水産省が反対すると勘違いされていた。事実は最も積極的に今回の措置を進
めたというのに、誠に心外なことであった。厚労省は省庁統合により大きくなり過ぎ
ており、年金、介護、医療に大わらわで、食品安全行政は二の次になってしまってい
るとみられる。
 今回のように、緊急を要する放射能がらみの食品安全行政を素早く遂行していくに
も、やはり世界と同じに、食品安全行政を一括して担当する(Single agency)よう
にしていかないとならない。世界はBSEやGMOの対応で既に農業生産担当部局に一元化
が行われているが、日本は未だにバラバラである。民主党がマニフェストに食品安全
庁の設立を挙げているのは、まさに当然であり、我々はこの実現を急がないとなるまい。


==============
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見等ございましたら、ぜひ篠原孝事務所までお寄せください。
 e-mail :t-sino@dia.janis.or.jp
また、よろしければこのメールマガジンをお知り合いの方にも広めてください。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

  篠原 孝
==============
篠原孝メールマガジン
 長野1区(長野市・須坂市・中野市・飯山市・上高井郡・下高井郡・下水内郡)
 長野事務所 : 〒380-0928 長野県長野市若里4-12-26 宮沢ビル2F
 Tel :026-229-5777  Fax :026-229-5727
 e-mail :t-sino@dia.janis.or.jp
 国会事務所 : 〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1
 衆議院第一議員会館719号室
 Tel :03-3508-7268  Fax :03-3508-3538
==============

印刷用ページ このニュースを友達に送る

投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。
掲載記事の検索
論文・記事・記録のアーカイブ

掲載年月で記事を探す

クリック↓

アーカイブへ

Copyright © 1998-2004 The Society for Studies On Entropy. All Rights Reserved.