えすNo.167 2011.4 エントロピー学会 春の緊急研究集会:原発の廃炉に向けて

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原発の廃炉に向けて
福島原発同時多発事故の原因・影響の真相を総合的に解明する

エントロピー学会 春の緊急研究集会 2011年3月24日 山田國廣作成
原発の廃炉に向けて
福島原発同時多発事故の原因・影響の真相を総合的に解明する

【主旨】
3月11日に勃発した、東北・関東大震災および福島原発事故による被害の惨状を、私達日本人も、そして世界の人々も、ニュースなどで凝視することになりました。
 エントロピー学会では2010年10月16,17日に同志社大学において「低炭素社会という名の高ウラン社会を問う」というメインテーマで全国シンポを開催し「原発社会の問題」を取り上げてきました。
その際の報告やパネルディスカッションにおいても、原発事故の可能性について、原発推進派とそれに対して異議を唱える研究者の間で賛否両論、真剣な討論がなされました。学会では当初、2011年春の研究集会でも、昨年の全国シンポテーマを引き継ぎ「続・低炭素社会を問う」というテーマで、原発の問題点も入れながらより広い視野で「低炭素社会」の問題点を検証する予定でした。
 しかし、今回の福島原発事故の事実経過やその被害状況を詳細に検証するならば、原発推進派が唱えてきた「安全性神話」が、誰の目にも明らかな形で崩れてしまったと考えられます。そのことを、より明確な形で証拠づける必要があります。そこで、春の研究集会は急遽テーマを「廃炉に向けて 福島原発事故の原因・影響の真相を総合的に解明する」とし、変更して開催することにしました。
 緊急研究集会において解明すべき真相とは、いまのところ以下のような内容が考えられます。今後も、解明すべき項目は増えていくものと覚悟しています。
? 福島原発同時多発事故とは何であるのか、私達に何ができるのか
? 事故による放射能汚染の広がりや影響の真相
? 福島原発同時多発事故の原因に関する技術的検証
? 原発事故の公報のあるべき姿
? 避難の仕組みをどうするのか 避難中に死亡者、避難孤立を出さないために
? 計画中、工事中の原発を中止させるにはどうすべきか
? 廃炉に向けた環境政策、経済政策
創設以来、エントロピー学会では長年にわたり原発問題に取り組んできました。会員の中には、多くの専門家が参加しています。いまも進行している福島原発事故の惨状を見るにつけても、私達は「廃炉に向けて」確かな行動を加速すべきだと決意しました。

【日 時】2011年4月23日(土)14時~18時、24日(日)10時~17時
【場 所】同志社大学新町校地 臨光館301号教室(教室変更の可能性があります)
京都市地下鉄烏丸線「今出川駅」より北西へ徒歩8分【参加費】一般参加の方は資料代を含めて1,000円、学生参加者は資料代も含めて無料

えすNo.167 2011.4
【プログラム】
■1日目:4月23日(土)14時より(司会:和田喜彦)
(0)緊急研究集会の主旨説明と開会のあいさつ 山田國廣
(1) 記念講演 広瀬隆
題名:福島原発同時多発事故から何がわかったのか。そして、私達は何をすればいいのか
(2) 報告 福本敬夫
題名:原子炉から大気、水、食品、人体への放射能汚染の広がりをどうみるのか
(3) 報告 井野博満 題名:福島原発で何が起こったのか-その意味するもの
■2日目:4月24日(日)10時より17時 (司会:山田國廣)
・午前
(1) 特別報告 後藤政志
題名:福島原発事故で何が起こったのか-原発設計技術者の視点
(2) 報告 黒田光太郎
題名:東電・保安院などの事故対応・情報発信はなぜお粗末なのか-柏崎刈羽原発での経験を踏まえて-
(3) 報告 室田武 題名:原発廃炉の経済学に向けて-二酸化炭素1990年比25%削減の検証
(4) 報告 三輪大介 題名:上関原発の工事中止の行方
・午後
パネルディスディスカション(司会:山田國廣、和田喜彦)
23日、24日の報告者が、時間的に可能であればパネラーとして参加し、可能な限り会場からの参加者との討論を行います。
パネラー予定者:後藤政志、井野博満、室田武、三輪大介、菅井益郎、福本敬夫、黒田光太郎※報告者、題名に関して承諾を得ていない方があり一部変更する場合があります。ご了解ください。
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