フランクフルター・アールゲマイネ(FAZ.net)記事抄訳(22)

福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。(掲載伊津)

脱原発2011年6月?
(客員寄稿)
時間への支配
脱原発の非可逆性の命題はとまらない。憲法改正という容易に思いつく提案が取り上げられないということは不信をいだかせる。(Michael Kloepfer)
連邦内閣によって決定された、2022年までに期間短縮され段階的に行われる脱原発は参加した政治家の何回もの発言によって「元へ戻ることはありえない」とされる。
 現在の寿命短縮の「もとにもどらない」命題が法律的にみて維持できないことは明らかである。ドイツ連邦は民主主義を基本法に定めている。しかし、民主主義は時間的な支配であり、今日の政治的な少数派(反対党)は将来いつか多数派になり、明日の政府をつくりうるということで、国の形が決められる。2022年までの11年は民主主義にとっては比較的長い期間である。この期間に少なくとも2回の国会議員選挙が行われる。大停電、電力料金の大幅な上昇、著しい経済危機はドイツ人を動揺させ、原子力改正法の変更はまた破棄される。2011年の脱原発の決定の見直しに反対する法的な予防措置、例えば2022年以後の原子力の平和利用の禁止といった憲法条項の変更を要求している。このような憲法の改正はSPDによって要求されている。

2011年6月17日
(脱原発)
緑の(党の)世界は混乱している
党大会を前に反原発党は問題に直面している:反対者、賛成者またはとりあえず、その他のなにか?「原発賛成党との安易な同意は我々にとってすべきではない」と党左派はいう。
現実主義者は2022年の脱原発に賛成するつもりである。

2011年6月17日
(特別大会のための冒頭提案)
緑の党は脱原発に賛成するつもりである。
緑の党のトップは脱原発についての連邦政府の計画に賛成するつもりである。連立内閣の「原子力転換」は必要であるが、十分ではない、とエネルギー変換についての特別党大会への冒頭提案でのべている。

2011年6月18日
(メルケル首相の横揺れ路線)
一般党員はいきりたっている
脱原発、ギリシャの危機、不足する個性-ベルリンでのCDUの地区のトップの会合で、一般党員はいきりたった。我々は首相の選挙協力で堕落する。しかし、メルケル首相は彼女の立場を防御した。
メルケル首相は彼女の党に彼女の政策を売りこむのに努力した。それは核エネルギーと兵役義務にではなく、人間の個人的な自由におくというCDU 商標である。脱原発はまだ単独過半数をえていない。ギリシャの支援においてもまだ小休止である。

2011年6月19日
(計画方法)
ブレーキがかかったエネルギー変革
脱原発が成功するためには、この国は新しい送電線と発電所を早急に必要とする。
Stuttgart21*は大規模プロジェクトが成果をあげるのにいかに骨が折れるかを示した。
*Stuttgart21:現在のターミナル方式の地上駅を地下貫通型の駅にし同時に都市計画も変更する案に対して現在の駅を残すべきという座り込みなど市民の大反対が起きている。(訳者注)
もし市民がより強く参加するなら、計画はより長くかかる。こうした意見の不一致からどのようなことが起きるのか?Joachim Jahnよる分析
楽観主義者は円積問題(円と等積の正方形をつくる問題=不可能な課題)を追求している
市民参加と計画の迅速化の間の葛藤から政府はどのようになるのか。楽観主義者は解けない問題を追及している。この方法は多くの人が受け入れるが多くの時間がかかる。
Stuttgartの駅舎プロジェクトの例と同様、民主主義と国民を束ねる法治国家の限界を示している。
発電所、送電線、最終処分場所などの建設場所を探す際にSankt-Florians-Prinzip(私の家の前にはつくらないで!)の責任のとりかたが問題になる。

フランクフルター・アールゲマイネ より
Aktuelle Nachrichten online – FAZ.NET
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フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(独: Frankfurter Allgemeine Zeitung – F.A.Z.)は、第二次世界大戦後の1949年にフランクフルト・アム・マインに再建されたドイツの新聞。略号は FAZ である。福島原発事故に関連する記事の表題と抄訳を安藤直彦会員が随時行う。 体裁を整え伊津が掲載する。